祭が終わることを思うと今から寂しい
浦安を拠点とするゴスペルグループ「エノーマスヴォイス」を率い、日本の代表的なゴスペル・コーラスグループ「The Voices of Japan(VOJA)」のメンバーでもある。浦安市民まつりなど市内のイベントで美しい歌声を披露することも多い。西組若衆とのつながりも、その歌声がきっかけだった。
市内で生まれ育ち、例大祭は身近な存在だった。だが女の子らしい格好が好きで「スカート以外は履いたことがない」子どもだった。祭り着の股引が履くのが嫌で、子どもの頃は神輿を担いだことはなかった。好きなのは歌うこと。祖母と母が営んでいた居酒屋「るんるん」のカラオケで歌うのが楽しかった。祖母に連れられ、2000年の西組若衆の神酒所開きで行われたカラオケ大会で歌ったのが、西組若衆との「出会い」だ。それまで町会で例大祭に参加はしていたが、初めて豊受神社の宮神輿を担いだ。その迫力と威勢の良さに「こんなに楽しいなんて!」と一気に引き込まれた。
04年の例大祭から西組若衆役員になる。姉の暁子さんとともに、初の女性役員だ。ゴスペルも神輿の渡御も「皆で息を合わせることが大事」とその共通点を話す。自身の性格を「人見知りで引っ込み思案」というが、歌にも祭にも、胸に秘めた思いは熱い。
間近に迎える8年ぶりの例大祭。わくわくする一方で、「始まるとあっという間。終わった後の寂しさを今から感じちゃう」。
取材執筆・泉澤多美子